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イベントレポート
2019.11.12
俊英セルジオ・ピレス、日本初のクラリネットマスタークラス&ミニコンサート
〜愛器セルマー・パリ「レシタル」での名演も堪能〜
10月29日、ノナカ・アンナホールで、セルジオ・フェルナンデス・ピレス氏による日本初のマスタークラスとミニコンサートが開催された。
ポルトガル出身のピレス氏は、1995年生まれの24歳。8歳からクラリネットを始め、2016年からはスイス最古のオーケストラ、ヴンタートゥール音楽院管弦楽団の首席クラリネット奏者を務めている。
数々の国際コンクールで優勝し、世界各地よりソリストとして招待され、これまでに、ミッシャ・マイスキー、ウラジミール・アシュケナージ、ハインツ・ホリガー、アルブレヒト・マイヤー、クリストフ・エッシェンバッハなど多くの著名演奏家や指揮者と共演している。
日本にも数度来日しているが、公開レッスンは今回が初めて。
今年からポルトガルのミンホ大学で後進の指導にもあたっているピレス氏。
「練習のときは、たとえばfはfffに、pはpppのように誇張して」
「ずっと楽譜を眺めっぱなしではなく、たまには楽譜を見ずに音楽そのものに集中して練習を」
など実践できるものから、
「1日5分でいいから、無駄な力をいれないようにするため、声を出して歌いながら同時に楽器に息を入れて(重音のように)吹いてみよう」
といったアドバイスまで、ひとり40分という短い時間ながら、明快で充実したものだった。
ミニコンサートでは、ロッシーニ「序奏、主題と変奏」(ピアノ:小池亜季氏)とコヴァーチ「リヒャルト・シュトラウスへのオマージュ」(クラリネット独奏)を超絶のテクニックと、弱冠24歳とは思えないほどの深い音楽性で聴衆を圧倒した。
帰国後はイギリスの名手マイケル・コリンズとの共演でプーランクの「クラリネット二重奏曲」などのレコーディングが予定されているそうで、オーケストラ奏者としてだけでなくソリストとしてますますの活躍が期待される。
▲山村園子さん(モーツァルト:クラリネット協奏曲、東京藝術大学2年生)
▲中村愛祐美さん(ドビュッシー:プルミエ・ラプソディ、国立音楽大学卒、パリ市立6区ジャン=フィリップ・ラモー音楽院修了)
▲畠山美知子さん(ドニゼッティ:ストゥディオ・プリモ、愛知県立芸術大学卒)
▲ミニコンサートではピアノの小池亜季氏と絶妙のアンサンブルを聴かせた
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