インフォメーション
INFORMATION
イベントレポート
2019.05.17
最高アドバイザー テッド・ワゴナー氏 Bachを語る2019
イベントレポート
Bach工場長を務め、現在は最高アドバイザーであるテッド・ワゴナー(TEDD WAGGONER)氏が11回目となる来日を果たした。
Bach社工場内の写真&動画、半完成状態の楽器、Bach社に残る歴史的な資料を駆使して行う興味深いレクチャーが今年も各地で開催された。
5月4日(土・祝):甲府/内藤楽器 本店
5月5日(日) :宇都宮/上野楽器 栃木県護国神社内・護国会館
5月6日(月・祝):長岡/わたじん楽器 長岡店ホール
例年にない大型連休のさなか多くの愛好家が詰めかけ、長岡会場ではトランペット奏者の大島健太郎氏も来場。いずれの会場もほぼ満席となる盛況をみせた。
▲甲府講演
▲宇都宮講演
▲長岡講演
今回の講演の目玉となったのはトランペットC管の新しいモデル『クリーヴランドモデル C190L229』について。
そしてその開発に携わったBach社ハイブラスプロダクト・マネージャーであるロニー・ワゴナー(LONNIE WAGGONER)氏による解説である。
ロニー氏はテッド氏のご子息であり今回が初来日。プレイヤーとして演奏も相当の腕前を持っている。
なお、BachだけでなくConn、KING、Holtonなどのブランドを持っている、すなわちBachの大本であるConn-Selmer社の社長であるジョン・ストーナー(JOHN STONER)氏も今回の各講演に帯同した。
▲テッド・ワゴナー氏(左)、ロニー・ワゴナー氏(右)
クリーヴランドモデルの開発協力プレイヤーはアメリカ5大オーケストラのひとつ、クリーヴランド管弦楽団首席トランペット奏者であるマイケル・サックス(MICHAEL SACHS)氏。
サックス氏と、入社前から工場に出入りしていたロニー氏の間柄は深く、緻密で複雑な開発はとても円滑に進められた。
楽器製造業界の中でかなり早い段階からマウスパイプの研究をしていたBach社が新設計したことで話題を呼んだ「25Mマウスパイプ」はサックス氏への敬意を表してイニシャルのMを冠した、など興味深いエピソードが講演では披露された。
また、楽器だけでなくBach工場で働くスタッフにもスポットが当てられた。
例えばテッド氏とロニー氏のような親子関係は工場内では決して珍しいものでない。
ヴィンセント・バック(VINCENT BACH)氏が創業した当時も工場ではバック氏の妻、弟、そして義理の妹(弟の妻)が働いていた。
そのような光景は現在でもよく見られ、この工程を担当しているのは兄、その工程は妹、あの工程は母親といった具合で、工場がまさに“ファミリー”と言える。
アメリカの会社と聞くと流動的でドライな雇用が行われているのが一般的なイメージである。
しかながらBach社はとてもアットホームな会社、工場であり、今もその中でトランペットやトロンボーンなどが製造されている。
テッド氏、ロニー氏は質疑応答コーナーにも時間をかけ、楽器やマウスピースを使いながら丁寧に答えていた。
▲テッド・ワゴナー氏と、講演通訳をつとめた弊社社長 野中英樹(左)
トランペット、トロンボーンの主要モデルが勢揃いした講演前後の試奏会も短い時間ながら熱気に満ちていた。
▲トランペット、トロンボーン共に数多く展示
一覧に戻る