インフォメーション
INFORMATION
イベントレポート
2017.10.27
クラリネット・カルテット・コンサート 〜アンサンブルの楽しみ〜
セルマー・クラリネット「プリヴィレッジ」による流麗なアンサンブルで魅了
東京佼成ウインドオーケストラの有馬理絵、太田友香、原浩介の三氏と、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の須東裕基氏によるクラリネット四重奏の演奏会が東京渋谷のアクタスで開催された。
当日は大型台風の影響による荒天にもかかわらず客席は熱心なアマチュアや音大生、さらにはプロ奏者たちも詰めかけて満員で、若手クラリネット奏者たちによるアンサンブルへの期待感にあふれていた。
まず開幕はフランセの「小四重奏曲」、独特の軽妙な作風は聞いていて実に愉快だが、演奏者にとっては緻密なアンサンブルが要求されるちょっと手ごわい曲でもある。
しかし、毎日のように合奏している今回のメンバーにとってはこの種の合わせはお手の物、さらりと吹ききってくれた。
続いて3重奏を2曲。
石毛里佳の「ウェントス」とフンメルの「トリオ」は、現代の作品と古典を対比的に配して飽きさせない。
前半最後はデュファイの「オーディションのための6つの小品」で、アンサンブルコンテストなどで中高生にもよく取り上げられる曲だが、掘り下げるとこうなるのかと納得させられる充実した演奏を聞かせた。
後半にはベネットの「クラリネット・ラプソディ」、ヘンリーの「バードウォッチング」、吉松隆の「アトム・ハーツ・クラブ・カルテット」と、軽妙かつ最新のアイデアを盛り込んだ作品を聞かせ、クラリネット4本(全員がB♭クラリネットおよびバス・クラリネットのセルマー・パリ「プリヴィレッジ」を使用)の純正なハーモニーと、十二分なテクニックを披露した。
このカルテットでの演奏会は今回が初めてとなるが、次回以降も意欲的なプログラムを取り上げてくれるよう、聴衆からの要望も多く聞かれた。
セルマー・パリ Privilege -プリヴィレッジ-
http://www.nonaka.com/selmer/instruments/clarinet/pri/index.html
一覧に戻る