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イベントレポート
2016.12.12
アクタス・クラリネット・アカデミーVol.2
A.カルボナーレ氏によるマスタークラス
〜イタリアのクラリネット演奏スタイルについて〜
世界各地で活躍するイタリアの人気クラリネット奏者アレッサンドロ・カルボナーレ氏が来日し、東京・アクタスで11月23日にマスタークラスを開催した。
情熱あふれるレッスン
カルボナーレ氏は、かつてフランス国立管弦楽団の首席奏者を務めていたが、現在はローマ聖チェチーリア音楽院の教授として、またローマ聖チェチーリア管弦楽団首席クラリネット奏者として活躍しており、日本にもソリストとしてたびたび訪れている。
今回はレッスンに先立つレクチャーで、自身の書いたエチュードの効果的な使用法と、イタリアの伝統的なクラリネット演奏スタイルについて説明。
「私のエチュードには、私が新しく考え出したことはひとつも盛り込んでありません。楽譜もすべて、有名なシンフォニーの一節などからの引用です。それらをさまざまな調に移調してあるのですが、これを演奏するのは意外に難しい。大切なのは、速く演奏することではなく、どんな調であれ、それをいかに音楽的に演奏するか、ということなのです。そのためには、ゆっくりと、自分の耳を教師と思って常によく聞きながら練習することが重要なのです」とのアドバイスし、自らそのように演奏して聞かせた。
また、たとえばオペラの主題による幻想曲のレッスンでは「イタリアの音楽はすべて歌が根本にある。
そのためには歌詞も分かっていなければならないし、また演奏していないとき、つまり休符の間をいかに音楽的に大切に扱うかを考えて演奏しないと形にならない」など、カルボナーレ氏ならではの指導が強く印象に残った。
さらにミニ・コンサートでも、イタリアを代表する作曲家ドニゼッティの無伴奏ソロ曲「ストゥディオ・プリモ」と、イタリアの要素を盛り込んだといわれるヴィットマンの同じく無伴奏ソロ曲「ファンタジー」を聞かせるという、イタリア三昧の一夜だった。
愛器レシタルでの無伴奏ソロは、クラリネット1本とは思えない色彩感にあふれていた
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