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イベントレポート
2016.12.08
リシャール・ランベール クラリネット・リサイタル2016
〜愛器セルマー「プリヴィレッジ」を駆使して聞かせた圧倒的な名技〜
ボルドー管弦楽団の首席クラリネット奏者として活躍し、またボルドー音楽院の教授として後進の指導にもあたっている クラリネット奏者、リシャール・ランベール氏が先ごろ来日し、マスタークラスやコンチェルト、そしてリサイタルと多彩な活動を展開した。
まずは、来日当日の11月13日には東京・アクタスにてマスタークラスを開催。
レッスンに先立って「アクタス・クラリネット・アカデミーVol.1」と題されたレクチャーでは、ボルドー音楽院で薫陶を受けた恩師のイヴ・ディディエ(スケールやエチュードの著者として日本の学生にもおなじみ)の教育法について、分かりやすく説明。
その後、3名の受講生を、合理的かつ音楽的にレッスンし、聴講生からも好評を得た。
恩師ディディエの教育法についてのレクチャー
熱気あふれるレッスン
翌14日は、ルーテル市ヶ谷センターでのリサイタル。
ソロのほか、フランスでもトリオを組んでいるヴァイオリンのステファン・ルジェ氏、ピアノのソフィー・テブール氏と、このトリオの委嘱作品であるアマルゴス作曲「アトランティック・トリオ」をはじめとする三重奏も演奏。
また、パリ音楽院での同級生であるクラリネット奏者・板倉康明氏ともプーランクの「クラリネット二重奏曲」を演奏し、クラリネットの多様な魅力を堪能させた。
リサイタルでは旧友の板倉康明氏とも共演(ルーテル市ヶ谷センター)
17日には福岡に飛び、アクロス福岡・円形ホールでもリサイタルを開き、ここではクラリネット奏者・西澤春代氏とプーランクの「クラリネット二重奏曲」を演奏した。
翌18日には同じアクロス福岡の大ホールで、広上淳一指揮・九州交響楽団との共演でフランセの「クラリネット協奏曲」を披露。
ご存じのように、この曲はコンクールの課題曲にも選ばれる超絶技巧曲で、オーケストラの定期演奏会でとりあげられることは非常にまれだが、ランベール氏はこの難曲を軽々とこなし、福岡県外からも駆け付けたクラリネット・ファンを圧倒した。
さらに、20日には大阪で開催された日本クラリネット協会主催の「第33回クラリネット・フェスティバルin大阪」でも、並み居る関西のクラリネット奏者たちを前にトリオでの演奏を聞かせ、とりわけアンコールのクリスチャン・ロバ作曲「さくら」(無伴奏の、尺八を連想させる佳曲)は大絶賛され、今回の日本ツアーを見事に締めくくった。
大阪フィルハーモニー会館でのクラリネット・フェスティバルではトリオで快演
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