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イベントレポート
2016.01.28
『クローバー・サクソフォン・クヮルテット 結成10周年記念リサイタル』イベントレポート
2015年12月23日、東京上野の東京文化会館・小ホールでクローバー・サクソフォン・クヮルテットが「結成10周年記念リサイタルを開催した。
クローバー・サクソフォン・クヮルテットは2005年東京芸術大学の同窓生で結成。
2年間の準備期間を経て2007年5月に今回と同じ東京文化会 館でリサイタル・デビューをしている。
結成10周年記念リサイタルと銘打たれた今回のコンサート。
その曲目にも彼らの10年の活動に対する想いが込められ ていた。
1曲目はE.ボザの「アンダンテとスケルツォ」。
ボザが作曲したサクソフォンのための楽曲のなかでも代表的な1曲を披露。
続く2 曲目はバッハの「シャコンヌ」。編曲は吹奏楽作品でもお馴染みの伊藤康英氏。
他の楽器でも演奏されることの多いこの曲だが、伊藤氏とクローバー・サクソ フォン・クヮルテットの組み合わせにかなうものはないと思わせるほどの名演。
3曲目はF.シュミットの「四重奏曲 作品102」。
フーガ形式から始まるこの曲はメンバー1人1人の個性、高い技術を聴衆に伝えるのに十分な演奏。
最後はデビューリサイタルでも演奏された A.グラズノフの作品より「四重奏曲 作品109」。
『クローバーにとって、取り分けグラズノフが大切なレパートリー』とプログラムノートに曲目解説をしているサクソフォン奏者の佐藤淳一氏が 書くほどのメンバーが思い入れの深い1曲。
会場は彼らの10周年の記念となるコンサートをお祝いするかのように満員の聴衆が詰めかけ、終演後に行われたCD販売会、サイン会には長蛇の列ができていた。
その1人1人に話しかけサインしていく姿は、音楽に対し真摯に向き合う姿と同様に、ファンにも真心を込めて向き合っていたのが印象的であった。