ルブランについて

ルブラン(Leblanc)の楽器製造の源流は、ノブレ(Noblet)から始まり、その歴史は1750年に遡ります。
ノブレ社はフランスで設立されて、当初はルイ15世のためにも楽器を製造し、フランスが木管楽器製造の中心地となるのに貢献しましたが、1904年、ノブレ社は後継ぎとなる相続人がなく、ジョルジュ・ルブラン(Georges Leblanc)によって買い取られました。

ルブランは当時、クラリネットの開発に科学的な音響工学を活用することで知られていました。
また、ジョルジュの息子レオンは優れたクラリネット奏者であり、パリ国立高等音楽院ではプルミエプリ(一等賞)を得ました。
熟練した演奏家でもあったレオンは、楽器製造でも科学的な原則を重視し、ハンドメイドの楽器に高度な均一性と演奏しやすさをもたらしました。

1921年、ルブラン社(Leblanc France)はニューヨークのグレッチ&ブレナー社(Gretsch&Brenner)と提携し、アメリカでも楽器の販売を開始しました。
しかし、ルブラン社の楽器をアメリカでより効率的に販売・修理するため1946年に、有名なグレン・ミラー楽団の修理人であったヴィトー・パスクッチ(Vito Pascucci)がウィスコンシン州ケノーシャに〈Leblanc U.S.A.〉を設立し、アメリカでのルブラン製品の販売を引き継ぎました。
さらに〈Leblanc U.S.A.〉は、1964年ホルトン社を、1971年マーチン社を買収し、これによって金管楽器と木管楽器のフルライン供給に成功しました。

2004年、〈Leblanc U.S.A.〉はコーン・セルマー社によって買収され、楽器製造の新時代が始まりました。以後、クラリネット製造の拠点がインディアナ州エルクハートに移り、高度な職人技と技術革新が確立されることとなりました。