インタビュー
INTERVIEW

「本気でホルンに取り組みたいのならぜひホルトンでスタートしてほしい!」
野見山和子(東京都交響楽団ホルン奏者)


野見山和子 ホルンを始めたのは、中学1年生のときでした。音楽の教科書に載っていたオーケストラにあこがれて、とりあえず吹奏楽部に入部。最初はフルートをやりたかったんですが、もういっぱい。先輩がユーフォニアムとホルンを持ってきて、どちらかを選べと。ユーフォニアムはオーケストラの楽器じゃないので、ホルンにしました(笑)。とにかくオーケストラに入りたかった。

 でも、最初は音大に進むのさえ、両親、特に父は大反対。そもそも福岡には音楽大学はないし、父の出した条件が「特待生になれるのなら、くらしき作陽大学に行ってよし」。絶対無理だろうと安心していたみたいですが、期待を裏切って特待生で入学しました(笑)。

 くらしき作陽大学を卒業して桐朋の研究科に進む頃は両親も応援してくれるようになりましたが、周りの方たちの助けがなければここまで続いていなかったかもしれません。母にもしょっちゅう言われています。「周りにいろいろな方がいてくださったから、あなたの今がある」って。

 もちろん努力は人一倍……ということにさせておいてください(笑)。オーケストラのオーディションは何度も落ちているので、そういった面での努力は本当にしました。すんなり入ったようなイメージを持たれているのですが、とんでもない。

 確かに最初のオーディションには意外にすんなり受かったんです。大学3年生のとき、師事していた田中正大先生から「おまえは世間を知らなさすぎるから、世の中を見てこい」って怒られて、それだったら見にいってやろうと、先生に内緒で受けた関西フィルのオーディション。そのときは、田中先生が、「学校を卒業させたいから」と謝って、断ってくださったんです。ご迷惑をおかけしてしまいました。

 それからは怒濤のオーディション駄目駄目人生。ようやく23歳で日本フィルに受かって入団、その後2006年からは東京都交響楽団に在籍しています。

 ホルンの魅力は、いちばん“楽器らしい音”がするところでしょうか。もちろん、どの楽器もそうかもしれませんが、ホルンという楽器は特別にいい音がすると思うんです。まるでホルンがオケ全体を引っ張っているんじゃないかと思えるくらいの(笑)。ドンファンのCDでホルンのかっこいいところばかりを繰り返して聴いたり、ともかく、オーケストラの曲を聴き始めた高校生の頃から、ずっとホルンの音にあこがれ続けてきました。

 吹奏感もすごく好きでした。適度な抵抗感があり、その抵抗感に見合う音色がちゃんと鳴っていると思います。初心者の場合、ときどき抵抗感を嫌う人がいますが、抵抗感がまるきりないと、ぺらぺらな音になってしまいます。

 ホルトンならではの音色はとても魅力的ですね。

 今、オケでは下を吹いていますが、和音になったとき、ホルトンなら上の人が乗っかりやすいだろうなと思います。和音になったとき他の楽器の音としっくり溶け合う音色とでもいうのでしょうか。全体の響きを大切にしたい中高の吹奏楽部など、サウンド作りの強い味方になってくれることでしょう。

 価格の面でも、中高生が持つ楽器として最適であることは言うまでもありません。

 もちろん、音大をめざす人、あるいは音大生にもぜひ吹いてほしい楽器です。

 事情が許すなら、高価な楽器を買うのもいいでしょう。でも、そうした楽器が必ずしも最高の結果を約束してくれる訳ではありません。無理して最高級の楽器を買って、万が一自分に合っていなければ、吹いていても楽しくないでしょう。

 ホルトンなら、これから本気でホルンを習得したいと思っている若いプレイヤーにも安心しておすすめできます。


野見山 和子

野見山和子福岡県出身。くらしき作陽大学卒業。桐朋学園大学研究科修了。日本フィルハーモニー交響楽団を経て現在、東京都交響楽団に在籍。 これまでにホルンを山田真、故田中正大、今井仁志の各氏に師事。

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