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金管楽器のホルトン社

フィリップ・ファーカス

1898年、シカゴ・マジソンストリートのビル3階に2室の楽器店を開業したのが、今日のホルトン社の始まりです。有名なジョン・フィリップ・スーザ・バンドの首席トロンボーン奏者だったフランク・ホルトンは、開業と同時に、トロンボーン用のスライドオイル、フォーミュラエレクトリックオイルを発売しました。今日ではあまりにも有名なホルトンオイルは、100年間ベストセラーを続けています。19世紀より金管楽器を製作し、ホルトンの設計する斬新なデザインは、多くの奏者から愛用されるようになりました。

ホルトン社のフレンチホルンの開発は、フィリップ・ファーカス、バリー・タックウェル、エセル・マーカー等のパーソナルモデルから、ルイス・スタウト、リサ・ボントレジャーなどのトッププレイヤーのアドバイスにより圧倒的なラインアップを完成させました。金管楽器の総合メーカーとして世界中に広く知られるホルトン社は、2004年8月、アメリカの管楽器メーカーとして最も長い歴史を誇るConn-Selmer社(旧・SelmerUSA)に経営権を譲渡し、より一層の発展を目指しています。そして2005年3月1日より、野中貿易株式会社は日本総代理店として、皆様のお手元にホルトン社の製品をお届けしております。

フィリップ・ファーカス

どの楽器とも調和する柔軟性と
演奏に集中させてくれる安心感

フィリップ・ファーカス

“ホルトン”その特筆すべき特徴は、音程の良さと、あらゆる音域にわたりむらのない吹奏感、そして他のどの楽器とも調和する柔軟性の高さでしょう。これらのうちひとつでも欠落すると、演奏に余計なストレスがかかることになります。

我々演奏家にとって、満足のいく演奏をするために欠かせないことのひとつは、なるべくストレスのない状態で演奏に集中できることです。そして私がホルトンを持つとき、ストレスのない安心感を手にすることができます。

中島 大之
国立音楽大学教授
元NHK交響楽団ホルン奏者

フィリップ・ファーカス

ホルンとは

ホルン
〔ホルン→動物の角〕
ホルン、角という意味が示すように、フレンチホルンは動物の角笛から発達した楽器です。中世の狩猟用から音楽用へと進化し、動物の角から金属で製作されるようになりました。
〔バルブ→ナチュラル〕
19世紀中期にバルブシステムが発明され、金管楽器に採用されるようになりました。このバルブシステムを最初に取付けた楽器がフレンチホルンでした。しかし、コルネットやトランペットがロータリーやピストンを取付けられるようになっても、フレンチホルンは一部にナチュラルホルンを愛用する奏者がいました。
〔管の長さ〕
フレンチホルンほど自然音を求められる管楽器は他にありません。大自然の中で狩猟用として使われていたホルンは、ほとんどがF管でした。
初期のナチュラルホルンは、狩猟用を踏襲してF管でしたが他の楽器との合奏のために、B、C、D、E、E、F、G、A、A、High Bなどの管の長さのナチュラルホルンが作られ、これらをひとつのナチュラルホルンで替管できるように進歩して行きました。
〔バルブシステム〕
バルブの付いたシングルホルンは、F管、B管が主流ですが、D管やE管などのシングルホルンも過去には作られていました。現在はF/Bのダブルホルンが主流にと変わってきました。すべての音が自然音で演奏できるよう、F管とB管を結合させバルブで変換できるよう改良されました。
〔ダブルホルン〕
ダブルホルンには、セミダブルホルンとフルダブルホルンがあります。セミダブルホルンは、第1、第2、第3のチューニングスライドがシングルです。BでもFでもこのシングルのチューニングスライドを使うため音程に問題を生じますが、ホルン本来のナチュラルな音色があります。フルダブルホルンはチューニングスライドすべてがダブルに作られており、F管時にはF管用の第1、第2、第3チューニングスライドを使用し、B管のときはB管専用の第1、第2、第3チューニングスライドとB管用のメインチューニングスライドを使います。このため機構的に複雑で重くなりますが、音程が正確という優位性で現在は、ほとんどフルダブルホルンになっています。
ホルン