C.G.CONN社の歴史

金管楽器奏者の友人たちのためにマウスピースを製造していたインディアナ州エルクハート「ブリック・ブラウン楽団」のコルネット吹き、“チャールズ・ジェラルド・コーン”は、1875年、20フィート四方の小さな店で、アメリカ国内では初めてとなるコルネットを製作し、世に送り出しました。

1879年に店はより広い区画に移転し、楽器製造が軌道に乗ると、1888年、コーンは15人の楽器職人を呼び寄せ、最高の楽器を作るための工具と互いが刺激し合って、その技術を大いに発揮させることとなりました。
彼等の職人芸は、コーンの独創性や意欲とひとつになって楽器を生み出すこととなり、1893年シカゴで開かれた万国博覧会で彼等の楽器が最高栄誉賞を得たことは特筆に値します。
またジョン・フィリップ・スーザ、パトリック・ギルモア、ハーバート・クラーク、アーサー・プロイヤー、A.リベラティなど多くのバンドマスターや演奏家たちが工場を訪れ、「コーン社の驚異的なまでに優れた楽器」を賞賛しました。

エルクハートの劇場や音楽ホールで活動するバンドや演奏家たちは皆、コーンの楽器を吹きたがり、スーザ楽団などがヨーロッパの演奏旅行に行くと、華麗で時には宝石までちりばめられたコーン社の楽器は世界中で評判になりました。

またコーンは不思議で怪奇な楽器も大好きでした。1907年にはイメンスフォンという世界最大の金管楽器を作り、また世界最大のドラムや、船の警笛のような音がするスライド・チューバ、リヒャルト・シュトラウスの「ドン・ファン」で雄ロバの役で演奏するためのテナー・チューバ、隻腕の演奏家アル・ミラーのためのサクソフォンなども製作しました。

今日、C.G.コーン社のシンフォニーシリーズ・トロンボーンは特にクラシック音楽の世界で伝説的な位置を占めています。