Bosphorus Factory

シンバルの材料である銅と錫を8:2の割合で溶かします。更に複数の材料が加わりますがこれは秘伝。伝統的な製法にこだわるボスフォラスは、石炭でシンバルの合金の元を石製のポットに入れて熱します。およそ1500℃から1700℃、あくまでも石炭のみです。
充分熱したポットは、職人二人によって両脇から支えられ、お湯の入った石製のフライパンの様な型へ流し込まれます。
適度に温度を下げて取り出していきます。

ローラーで薄く延ばされ、分銅を使った秤で計量をして重さ別に仕分けされていきます。
重さ別に仕分けされた合金のプレートは、後日ピザの釜の様なオーブンで再加熱されます。 ここでも、ガスなどは使わず薪を使い徹底的に機械を排除しています。
再加熱した後、ローラーで引き延ばす作業を交互に繰り返しシンバルの適度な薄さまで作業をします。
この作業を繰り返した後、熱いうちにベル部分の型押しを行いシンバルの原型を作ります。更に仕上げの焼き入れを行い、加熱されたシンバル素材を一気に水で冷やして炭素を除去し、柔軟な金属へと変化させます。炭素を除去しなければ簡単に金属は割れてしまうのです。
水道水では柔軟さに差が出るため、近くの湖を源泉とする井戸水を使用し、天然の井戸水によるミネラルをシンバルの素材に注入しています。

炭素除去を終えたシンバル素材を手動の機械でシンバルのセンタリングとして穴を開けます。この後、職人の手によってハンマー1本で叩きだしていきます。
機械は一切使いません。
最初にシンバルの形を成型するハンマリング工程を行った後、シンバルの表面を薄く削っていくレイジング工程を経て、シンバルの形になっていきます。
ボスフォラスはこの後、更にハンマリングを加えて全体の響きを整えていきます。このハンマリング工程と、削るというレイジング工程を繰り返すことによって、シンバルにしなやかさを与えていきます。
他の工房では、この作業を短縮して1回ずつしか行わないそうですが、手を抜かず丁寧に作業をするのがボスフォラスのプライドです。
この作業を繰り返した後、表面の仕上げを行い完成します。

Movie

Bosphorus Cymbals Factory 2013
Bosphorus Cymbals Factory, Istanbul