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ヴァルターについて

ドイツ楽器賞受賞

ルドルフ・ヴァルター(Rudolf Walter)は、ドイツ南西部のシュトゥットガルト近郊の町、プライデスハイムに工房を構える小さなファゴット専門メーカーです。
ここから産み出される「ゾリステン」モデルは、ハンドメイドの逸品として、いま世界のオーケストラ奏者が最も注目するファゴットのひとつになっています。

1948年生まれのルドルフ・ヴァルターは、伝統ある木管メーカーのコーレルトで修行を積んだあと1985年に独立し、管楽器マイスターとしてゴールドメダルを受賞するなど、すぐに頭角を現しましたが、1994年にドイツ連邦経済技術省が主催する「ドイツ楽器賞」を受賞して、その名前が一躍知られるようになりました。

この賞は各楽器ごとにノミネートされたものを、「音響」「製作技術」「演奏性能」の三つの観点から厳しく審査して与えられます。
「音響」テストは、ボーカルに発振装置を付け各トーンホールを塞いで、その響き方を測定するもので、ヴァルターのファゴットは全管楽器の中で最も優れた結果を出しました。
「制作技術」は、熟練のマイスターたちが細部のつくりや仕上げを入念に評価するもの、さらに「演奏性能」ではクラウス・トゥーネマンはじめドイツの5人の名手がブラインドで演奏し、その性能を評価しました。

その結果、ヴァルター・ファゴットは次の項目で1位にランクされ、総合でも他の五つのメーカーのファゴットを抑え、断トツの成績で1位を獲得しています。
・音色 = 1位
・他の楽器との音の融合性 = 1位
・レスポンス = 1位
・音程 = 1位
・響きとダイナミクス = 1位
・メカニクスと操作性 = 1位
・外観 = 1位
・コストパフォーマンス = 1位

※さらに注目すべきは、2002年、2010年にも同じコンテストでグランプリを受賞したことです。
ドイツのファゴット・メーカーで「ドイツ楽器賞」を3度受賞したメーカーは、現在までのところヴァルター以外にはまだありません。

ヴァルターはかつて中・上級の三つのモデルを製作していましたが、しだいに上級モデルに集約し、現在はプロフェッショナルモデルにあたる「ゾリステン」モデル1機種のみを製作しています。

ヴァルター・ファゴット 製作工程1 ヴァルター・ファゴット 製作工程2 ヴァルター・ファゴット 製作工程3 ヴァルター・ファゴット 製作工程4 ヴァルター・ファゴット 製作工程5

厳選した高級メイプルを12年以上寝かせ、木の割れや歪みをなくすヴァルター独特の処理も行われます。
作りの素晴らしさは、一つ一つの丁寧な手作業から産み出されるのです。

~パイパーズ 2008年8月号より抜粋~

プロフィール

ルドルフ・ヴァルター/Rudolf Walter

1948年7月25日生まれ
▼1966年~1972年
工具製作者として、数社で多くの経験を積む。
▼1973年~1983年
当時、世界的に有名であった木管楽器制作工房Kohlert社(前V.Kohlert&sons,1840年グラスリッツにて創業)に入社。
▼1985年
Kohlert社の売却を機に、1985年独立。木管楽器製作職人試験に合格。
▼1991年
木管楽器製作マイスター試験で、その年1番の成績で合格、金メダルを授与される。
▼1994年
ドイツ楽器賞を受賞。「若き手工業者振興賞」において、技術革新が認められ賞を授与される。
▼1995年
新しい工房に移転。
▼2002年
2度目のドイツ楽器賞を受賞。
▼2010年
3度目のドイツ楽器賞を受賞。

ダニエラ・シュヴァイアー(旧姓:ヴァルター)/Daniela Schweyher

1973年9月7日生まれ
▼1992年~1996年
ルドルフ・ヴァルター社にて木管楽器製作技術を習得。
▼1996年
木管楽器製作職人試験に合格。同試験にて手工業会、州、ドイツ連邦各賞の1位を獲得。
▼2001年
木管楽器製作マイスター試験で、その年1番の成績で合格、金メダルを授与される。
▼2004年
イエルク・シュヴァイアーと結婚。
▼2005年
手工業会にて、経営経済学を州1番の成績で修め、ヴァルター社で経営に携わる。