テクニカルレポート

ノナカ・テクニカルサービスのリペアスタッフはお取引店で開催される管楽器リペアクリニックに出向き お客様の大事な楽器を診断の上、調整&簡単な出張修理をさせていただくこともあります。

2016年 記事一覧

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ホルンのゲシュトップミュート

今回はいつものような修理の紹介ではなく、製品の紹介をしたいと思います。

ホルンを吹いている皆さん、楽譜上にゲシュトップ奏法が出てきた際どうしていますか?
ゲシュトップ奏法とは、右手をベルの中に塞ぐようにぴったりと入れて吹くことによって、ビーンという金属音のような特殊な音を出す奏法のことです。
効果音のように一発吹くだけならまだしも、ゲシュトップ奏法のままフレーズを吹くのは難しいですよね・・・。
特に、手が細かったり小さかったりする女性の方だと塞ぎきれないことも多いと思います。

そんなときはゲシュトップミュートを使ってみてはいかがでしょうか?

野中貿易ではTOM CROWN(トム・クラウン)のゲシュトップミュートを取り扱っております。

こちらはイエローブラス製です。イエローブラスは主にサックス、金管楽器に使われている銅合金のことです。
明るくはっきりした音色です。
少ない息の量でも反応が良く、しっかり金属音が鳴るので、肺活量のない人にもおすすめです。


こちらは2016年9月に発売されたコパー製のゲシュトップミュートです。
イエローブラスと比べて金属音が出ながらも、ふくよかな音になります。
吹き込んだ分だけしっかりと鳴って反応してくれるので、合奏の中でも埋もれにくいです。

譜面上にゲシュトップが出てくるとちょっと嫌だな・・・と言う人も、これで手軽にゲシュトップが出来るようになります。
ゲシュトップミュートは他のミュートと違って、形も個性的で可愛らしいですね!
是非一度、お試しください!

トム・クラウン フレンチホルン用ゲシュトップミュート FH-C
材質 : コパー(一部ブラス)
希望小売価格 ¥16,000(税抜)
http://www.nonaka.com/information/detail.jsp?id=26529

※価格は2016年12月22日現在のもので税抜表示となっています。

更新日:2016年12月22日

大垣女子短期大学-サックス技術講習会・企業説明-

岐阜県大垣市にある大垣女子短期大学様の管打楽器リペアコースにてサックスの技術講習を行いました。


学生の皆さんに実際に作業を見ていただきながら、ノナカ・テクニカルサービスのスタッフがタンポの合わせ方やメーカーによる違いを説明しています。

こちらでは、パーツをバーナーで焙ると、どの位の時間で焦げてくるのかを体験していただきました。
きっとこのような体験をしたことがなかった学生さんが多かったのでしょう、とても熱心に取り組んでいました。


そして弊社の会社説明と取扱いメーカー説明の時間、展示した楽器とカタログを食い入るように見ながら聴講している学生の皆さんの姿です。

これからあらゆる所へ巣立っていかれる学生の皆さんに、弊社の紹介また技術研修をさせていただけた事は私たちにとっても素晴らしい機会でした。
「大垣女子出身です」という楽器店スタッフさん・リペアウーマンに出会ったら嬉しくなってしまいますね!

この経験を活かし、大きく羽ばたいていって欲しいと思います。

更新日:2016年11月10日

横浜FCさんが来社

野中貿易も演奏会パートナーとして応援している、 横浜市をホームタウンとするプロサッカーチーム「横浜FC」。
先日、横浜FCの奥寺康彦会長、田村マネージャー、 ディフェンダーの市村篤司選手、西河翔吾選手がノナカ・テクニカルサービスに来社されました。

普段、楽器とはほとんど縁のない方々ですが、とても熱心に説明を聞かれ、興味を持って見てくださっている姿が印象的でした。

サックスをかまえていらっしゃる市村選手と西河選手、とてもサマになっています!

なんて声が聞こえてきそうですね。 

奥寺会長からは、今にもハイトーンが聞こえてきそうです。

ノナカ・テクニカルサービスで扱う様々な修理品を野中社長が紹介しています。

サインにも快く応じてくださいました。

田村マネージャーによりますと、実際に帰りの車で楽器を初めてみようかな、とおっしゃっていた選手もいらっしゃったようです。
楽器を持つ選手の姿を目にすることがあるかもしれませんね。
演奏家の方々とはまた違ったオーラをまとっている皆さんにお会いでき、とても刺激を受けた一日でした。

野中貿易では「野中貿易株式会社 PRESENTS スタジアム演奏会」として、横浜FC様とともに横浜市内の小中学生を対象に試合前に演奏する機会を設けています。
大きなスタジアム・大観衆の前で演奏してみませんか?
そしてそのあとは、横浜FCを応援しましょう!!!

2016シーズン スタジアム演奏会のお知らせはこちら↓をご覧ください。
http://www.yokohamafc.com/2016/02/04/49457

更新日:2016年10月14日

トロンボーンの鈑金(ばんきん)作業

今回は、ちょっとしたトロンボーンの鈑金作業をご紹介いたします。

楽器を落としてしまった結果、衝撃でベルが大きく変形してしまいました。

この凹みを直していきます。
せっかくきれいな楽器なので、出来れば修理跡が目立たない様に仕上げたいところです。

まず、下の写真のようなローラーを使い大きなゆがみを少しずつ戻していきます。


大きなゆがみが修正出来たら、今度はハンマーを使い細かいしわを伸ばして目立たないようにします。
このとき、ラッカーが傷まないように丁寧にハンマーリングします。
凹みの修正は作業の熟練度によって仕上げの程度が大きく変わってきます。

その後、再びローラーで形を整え、修理完了です。

一度変形してしまった金属を完全に元の状態に戻すことは出来ませんが、修理方法によっては意外ときれいに直すことが出来ます。
凹みがあれば見た目は勿論、吹奏感にも影響してきますので必ず修理に出してみて下さい!

【参考価格】
トロンボーン ベル鈑金作業 ¥18,000(税別)
(歪みの程度により値段は変わります) 

更新日:2016年9月23日

残暑お見舞い申し上げます




ノナカ・テクニカルサービス 夏の想い出2016

横浜開港祭の花火、大桟橋から望む夕焼け

更新日:2016年8月8日

管内洗浄

楽器は使用しているうちに色々な所に汚れがたまってきます。
特に金管楽器の場合はマウスパイプをはじめバルブや抜差管に多量の唾液が通る事により、通常「緑青※」と呼ばれる錆が発生します。

※緑青(ろくしょう):銅や銅合金が、酸素、二酸化炭素、水分、塩分などと反応し金属上に生成される青緑色の銅塩が緑青と呼ばれる。

「銅塩」と書いてありますが、固まった塩のように結構頑固に管体に付着しており、通常の水洗いではなかなかとれるものではありません。

今回はトランペットの「管内洗浄」の例をご紹介します。


管体の内側やケーシングの周りに、たくさんの緑青が発生しています。
今回は、この緑青を、専用の洗浄剤を使い除去していきます。


それぞれのパーツは、緑青や汚れの状態によって洗浄液に浸けておく時間を調整します。
洗浄液から出した後は、液が管内に残らないよう、丹念に水洗いします。


隅々までチェックして、緑青が無くなったら、よく乾燥させて終了です。


内側の緑青がきれいに落ちたのがお分かりでしょうか。
キャップやウォーターキィもきれいに…

ケーシングの周りも、ベタベタしていた汚れがきれいに落ちました。

お客様のご希望によっては、この後、再メッキや再ラッカーの工程へ。

長い間メンテナンスに出していなかった汚れ放題の楽器は見た目や触った感触も良くないことは勿論、 悪臭がしたり衛生的にも良くありませんので是非一度洗浄に出してみて下さい!

【参考価格】
トランペットの管内ケミカル洗浄 ¥18,000(税別)~
※ラッカー仕上の楽器の場合、汚れと一緒に劣化しているラッカー塗膜が剥がれてしまうことがある為、この洗浄が出来ないことがございます。まずはお問い合わせください。

更新日:2016年7月25日

ボンゴのヘッド交換

今回はボンゴのヘッド交換の修理をご紹介いたします。

けっこう大胆に破けています。

まず、ヘッドを固定しているパーツを丁寧にはずし、ヘッドとリムと本体に分解していきます。

ヘッドの革を交換するには、今まで張ってあった革からリング状のパーツを剥がさなければなりません。
そこで、今まで張ってあった革を水に漬けてふやかしていきます。

そして、新しい革の準備をします。こちらも、同じように水に漬けて柔らかくしておきます。

さぁ張っていきましょう。
元の革から剥がしたリング状のパーツを、柔らかくなった新しい革に取り付け、本体にのせたらリムで固定していきます。

革が厚いので、張り具合を確認しながら、数日かけて乾燥させていきます。

このような感じに形が決まってきたら、外側に飛び出している余分な革を切り取ります。


こんな感じに仕上がりました。

以前、バスドラムやタンバリンの修理をご紹介しましたが、ボンゴはなかなか珍しい修理でした。
これは何処に修理に出せば良いだろう・・・?と思ったら、一度ご相談下さい!

【参考価格】
革張り替え ¥12,000(税別)~

更新日:2016年6月10日

ファゴット・ボーカルの亀裂修正

リードや楽器とのバランスによって音色も変化し、ファゴット奏者の中には、何本も所有されるボーカル。
今回は、そんなファゴットにとって大事なパーツ、ボーカルの亀裂修正をご紹介します。


離れて見ると分かりにくいですが、カーブの部分に亀裂があります。
これではちゃんとした音を出すことができません。
今回はここに当て金(プレート)を作成し、塞いでいきます。


まず、プレートをこの様な形に切り出します。
次に、切り出したプレートをボーカルの管に合うように専用の治具を使って形付けていきます。


この様な感じに合わせました。

そして、成型されたプレートをボーカルに半田付けしていきます。


このままでは、取り付けられたプレート部分だけ目立ってしまいますので、半田も綺麗に処理をし、磨いていきます。

最後にメッキをかけて出来上がりです。

プレートが付く分、修理前の音とは多少変わってしまうかもしれませんが、愛着のあるボーカルがまた使用できますよ。

【参考価格】
プレート半田処理、簡易メッキ ¥12,000(税別)~

更新日:2016年5月11日

ゴングスタンド 脚の溶接

打楽器のスタンドが壊れてしまって困った・・ということありませんか?
写真は、ゴング用スタンドのキャスターが取りついていた脚の部分です。


キャスターをぶつけてしまったんでしょうか。
キャスターをねじ込む受け部分が、パイプの溶接ごとちぎれてしまっています。
写真では、角パイプに穴が開いているだけに見えますが、実は大分陥没して歪んでいました。

角パイプを板金で修正したところになります。

さて、溶接!・・といきたいところですが、資格を持っていないとできませんので、ここはプロにお任せです。

こちらがAfterです。いかがです?
ぐるっと全体をばっちり溶接していただいて、簡易塗装で錆防止をしてあります。
美しい仕上がりです。

「どうもうまくネジが締まらない」「楽器がまっすぐ立てられない」など、楽器がガタガタして不安定では、演奏にも身が入らないというもの。
こんなスタンドがあったら直してみませんか?

【参考価格】
スタンドキャスター部パイプ歪み修正、ナット溶接 ¥9,000(税別)~

更新日:2016年4月19日

パーツ製作


こちらのBACHトランペットは、1番スライドにトリガーが付属していない仕様になっています。
今回、この楽器にトリガーを付ける作業をご紹介したいと思います。

まず最初に結果をお見せします。
今回はこのように1番スライドにトリガーが装着されました。

それでは作業開始から見ていきましょう。

まず、用意した指掛けのパーツのロウ付けを外し、使用する部分を準備します。

抜差し管がリバース式ではないので、最近のBACHストラディバリウスモデルのように直に指掛けを付けることが出来ません。
そこで必要となるのは、指掛けを宙に浮かせながら しならないように支持する支柱を作る作業です。
イメージした形のパーツの基本形を丸棒から削り出し、ハンマーでたたいてデザインした形状に伸ばしていきます。

ここでのポイントは、半田付けされる箇所がU字管の形にフィットするように成形する事です。美しさと強度を考えての作業となります。
そして、成形が終わったら必要な長さにカット。ヤスリを使い、仕上げ作業をします。
その間、何回か合わせ作業をします。

出来上がった支柱に、指掛けをロウ付けします。
そしてピカピカに磨き上げます。

ラスト工程は、抜差し管に出来上がった指掛けのパーツを半田付けします。

そして出来上がったものがこちらです。

このような支柱の形をつくるには、板材から切り出す方が簡単ですが、それでは柔らか過ぎて、すぐ曲がってしまいます。
今回は棒材からの鍛造と言う方法をとることで十分な強度を得ることが出来ました。

今回ご紹介いたしました例の他にも製作可能なことはたくさんあると思います。
こんなんできるかな・・・?と思われている方、まずノナカテクニカルサービスにお問い合わせくださいませ。

【参考価格】
トランペット 第一抜差管/トリガー製作  ¥30,000(税別)~

更新日:2016年3月14日

ノナカ・テクニカルサービス見学会

先月の1月23日(土)、大勢の中学生の方々がノナカ・テクニカルサービスの見学にいらっしゃいました。
野中貿易(株)では、地元Jリーグチームである横浜FCと協力して、横浜市内の小中学生を対象に、「2015野中貿易PRESENTSスタジアム演奏会」を実施中です。
これは、横浜FCのホームグランドであるニッパツ三ツ沢球技場で開催される横浜FCの試合の開始の前にスタジアムで演奏していただこうという企画です。

また、参加していただいた学校様からご希望をいただいた場合、ノナカ・テクニカルサービスへのご見学を承っております。

今回は、Vol.21の横浜市立鴨志田中学校様・浦島丘中学校様に続いての3回目。
南戸塚中学校様の見学の様子をご紹介いたします。

弊社で行っている仕事をより知って頂くために大きく木管、金管に分けて幾つかのデモンストレーションを行いました。

まずは木管楽器部門でサックスの調整の仕方を見学していただき、どのように音が出るようになっているのか、仕組みについて簡単に説明をしました。

次に彫刻のデモンストレーション。まっすぐの線で彫っていないことに、皆さん驚いていました。

金管楽器部門での見学では、ヘコ出しのデモンストレーションを行いました。
続いて、半田付けしたものを手で剥がせるかどうかの体験してもらいました。
男の子でも剥がせません。

南戸塚中学校の吹奏楽部の部員は60名ほど。その中から1、2年生合計25名と先生がいらっしゃいました。
最初は緊張の面持ちで見学されていた皆さん、デモンストレーションをいくつか見るうちに笑顔も出てきました。

最後に建物の前で、生徒さん・先生とデモンストレーションを行ったスタッフで記念撮影。

帰りも、生徒の皆さんは先生の指示に従ってきちんと並んで歩いて行きました。
普段皆さんが使っている楽器が修理されていく様子を少しでも見れたことが、今後の彼らにプラスになっていけばなあ・・・と思います。

更新日:2016年2月12日

サックスのブラッシュドサテン加工

今回は楽器の塗装例について紹介させていただきます。

今回塗装する楽器はこちら、アンティークゴールドラッカー仕上げのH.Selmer「リファレンス」アルトサックスです。

こちらの楽器に、ブラッシュドサテン加工をし、リファレンスラッカーをかけました。
加工後の全体写真です。

細部を比較してみます。ネックの仕上がりは・・・

ベルの仕上がりを比較してみます。

比較用に、下の写真はシリーズIIIのゴールドラッカー仕上げのベルです。

ブラッシュドサテン加工にリファレンスラッカーをかけたものは、アンティークな風合いが出ていてとても味わい深い仕上がりになりました。
【参考価格】
ボディのみ ブラッシュドサテン・リファレンスラッカー加工 ¥170,000(税別)~

楽器によっては出来ない加工もありますが、ご希望の際はぜひお問い合せ下さい。

更新日:2016年2月2日

新年のごあいさつ

更新日:2016年1月5日