インタビュー
INTERVIEW

アドラー
長哲也&向後崇雄 両氏が絶賛!
−アドラー・ファゴット 1357シリーズの魅力−
長哲也氏と向後崇雄氏

東京都交響楽団で活躍している二人の若手ファゴット奏者、長哲也氏と向後崇雄氏。
二人が初めて手にしたファゴットは、ともに“アドラー”でした


─ファゴットを始めたきっかけは?

向後氏: 楽器とはほぼ無縁の生活でしたが、高校に入ったとき、何かできたらいいなという軽い気持ちで吹奏楽部に入りました。珍しく男が入ってきたということで強制的にテューバをやらされましたが、2年生になってファゴットにかわりました。だってテューバは重いし(笑)、ほんとうはメロディックなイメージの木管楽器がやりたかったんです。はじめは組み立て方すらわからなかったけど…。
長氏: 教えてくれる先輩はいなかったんですか?
向後氏: 誰も。なにしろ、イングリッシュホルンのパートをサックスが吹いたりなんて無茶苦茶も通っちゃうクラブだったので…。放課後集まって、ちょっと楽器やって、楽しんでという。
長氏: 健全な、正しい部活ですね(笑)。僕は千葉にいた小学校低学年の頃にサックスで吹奏楽部に入りました。でも、出身の九州に帰ったら吹奏楽部がなかった。楽器店のサキソフォン教室には通っていたのですが、どうしても合奏がしたい。それで地元のジュニアオーケストラの運営や指揮をされていた、同じ楽器教室のトランペットの先生に相談したんです。そうしたら「オーディションはサックスで受けてもいいけど、サックスじゃ入れないからファゴットはどう?」と…。その時点ではファゴットなんて全然知らなかったけど(笑)。

─おふたりとも最初の楽器は?

向後氏長氏 :アドラーです。
向後氏: 学校に新しいアドラーが2本、まだピカピカの楽器でした。コンクールにも出るようなことがないクラブでしたが、楽器は揃っていましたね。
長氏: 僕がいた北九州市のジュニアオーケストラも全部アドラーで揃っていました。

─アドラーの印象は?

長氏: アドラーについては良い思い出しかありません。実はその後、大学受験に備えて少しグレードの高い他社の楽器を買ったのですが、これがなかなか鳴ってくれなかった。後々いろいろな方とも話したのですが、やっぱりアドラーって自然だったんだなと思います。

─自然とは?
長氏 長哲也氏
(東京都交響楽団首席ファゴット奏者)

長氏: 自然に吹けるんです。
向後氏: 素直に鳴りますね。無理なくエネルギーになってくれるというか、音が鳴ってくれる。
長氏: 言葉で説明するのは難しいのですが、吹き比べれば一発でわかります。決して変な抵抗感はないし、かといって、すごくオープンなわけでもない。何も知らない初心者でも、まさに僕がそうだったのですが、ストレスなく吹けます。
向後氏: 楽器自体が軽いことも大きな利点です。いきなり重い楽器で始めるとたいへんだし、下手をするとどこか具合を悪くしてしまう。
長氏: 小学校5年からアドラーを吹いていましたが、手の小さな僕でも苦労したことはないですね。

─音に関してはいかがでしょう?

長氏: アドラーは良い意味でまとまった音が出る。音が出る感触はダイレクトですが、出てくる音には芯があります。
向後氏: まさに正統派のドイツの音ですね。きちんと芯がありながらも温かい。アドラーはファゴットの良い音を教えてくれる楽器なんです。初心者に楽器を薦めるとしたら、僕は間違いなくアドラーを薦めます。その後いろいろな楽器を吹きましたが、アドラーは間違いない楽器だったんだなと思いました。
長氏: 確かに。僕も最初にアドラーを吹かせてもらったから続けられたのだと思います。アドラーのおかげでファゴットがより好きになった。全力で薦めたいですね。

─おふたりとも、今はヘッケルですか?
向後氏 向後崇雄氏
(東京都交響楽団ファゴット奏者)

向後氏: ええ。ただ、アドラーで都響のステージに立てと言われたら、充分立てますよ。
長氏: 大げさに褒めているわけではなく、本当にそう思います。
向後氏: ヘッケルはプロを目指すならいつかは…という存在。でも、ヘッケルを買ったらすぐに良い音が出るかというと、そんなことはない。たとえば、初級者がヘッケルとアドラーを吹いてどっちが良い音が出るかといったら、アドラーだと思います。
長氏: そうでしょうね。アドラーのほうがむしろ良い。
向後氏: 若葉マークのドライバーがいきなりF1カーを運転したら事故るのと同じです。ヘッケルは価格が非常に高い楽器ですが、価格が別格だからといって、別格の演奏が簡単にできるわけではありません(笑)。他のブランドもそうですが、少しでも高ければ、それだけ良い楽器だということではないんです。
長氏: そうですよ! 僕は最初に自分の楽器を買ったとき、それで悪戦苦闘したんですから。高いほうが良いだろうと思ったのが甘かった。値段じゃないんです。
向後氏: そうですね。つまり値段と、魅力とか性能・パフォーマンスは比例しません。

─では、楽器を選ぶときに注意すべきことは?

向後氏: ある程度良い音が出ること。むらなく、下から上まで響くこと。
長氏: 僕の経験からすると、試奏は必ずしたほうが良いと思います。自分では何もわからないと思っていても、とにかく吹いてみるべきです。

─近くに楽器店がなければ、値段とカタログの写真だけで決めなければならないこともありますが。

向後氏: もし自分で吹くチャンスがないのなら、せめてプロが実際に吹いて選んだ楽器を買うべきでしょうね。楽器は同じブランド、同じモデルでも個体差があるものですから。ただ、その点でもアドラーはあまり個体差がないので安心です。
長氏: そうですね。最近のアドラーは、キャラクターの差はあっても、どれも楽器としての平均点が高い。
向後氏: だから甲乙つけてどれか選べと言われると、実は結構困ります。これはこれで良いし、それはそれで良いし…。アドラーならどれを選んでも後悔しないと思います。もちろん、たとえアマチュアの方でも、もしかしたらハイクラスの楽器、たとえばヘッケルやピュヒナーを吹きたくなる時期が来るかもしれませんが。
長氏: でも、それまでは本当に何も心配しなくていい。頑丈だから学校備品としても最適です。
向後氏: アドラーなら、ちょっと頑張れば個人でも買えますよね。ぜひ、個人で買ってほしい。

─というと?
長哲也氏と向後崇雄氏

向後氏: 日本は、たぶん世界一吹奏楽が盛んな国だと思うんです。中高の吹奏楽部で楽器を始める人が圧倒的に多いと思うのですが、せっかく楽譜が読めるようになり、みんなと一緒に演奏できるようになっても、卒業したらそこで終わり、というのがもったいないじゃないですか。でも、自分の楽器を持っていたら、星の数ほどある一般の吹奏楽団やオーケストラにも入りやすい。
長氏: フルートやトランペットを持っている人はいっぱいいるけど、ファゴットを持っている人は少ないですからね。
向後氏: ファゴットを持っていると本当に重宝されます。僕の生徒ですが、3年くらい前にアドラーを買って、レッスンを始めて、地元の市民バンドに入った。そしたら他のバンドにもエキストラで呼ばれて…。実に楽しそうです。
長氏: 楽器を続けていこうかどうか迷っている人がいたら、ぜひ思い切ってアドラーを購入してほしい。この楽器で大丈夫だろうかという心配がなく、一生でも使える楽器だと思うので。
向後氏: 今ならまだ早い者勝ち(笑)。
長氏: ですね(笑)。
向後氏長氏 :せっかく出会ったファゴットと一緒に、ぜひ一生音楽を続けてほしいと思います。


長哲也(ちょうてつや)

福岡県北九州市出身。東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。これまでにファゴットを永江恵子、石川晃、水谷上総の各氏に師事。また、ダーグ・イェンセン、ジルベール・オダン、マルク・トゥレネル等のマスタークラスにて研鑽を積む。藝大モーニングコンサートにて藝大フィルハーモニアとモーツァルト作曲ファゴット協奏曲を共演。卒業時に同声会賞を授賞。卒業と同時に東京都交響楽団首席ファゴットに就任し、現在に至る。

向後崇雄(こうごたかお)

埼玉県さいたま市出身。2004年武蔵野音楽大学卒業後、ケルン音楽大学に入学。在学中の2006年にライン・ドイツ歌劇場管弦楽団に研修生として入団。2007年ケルン音楽大学を卒業後帰国。2007年東京都交響楽団ファゴット奏者に就任し、現在に至る。ソリストとして武蔵野音楽大学在学中の2002年に武蔵野音楽大学管弦楽団とモーツァルト作曲ファゴット協奏曲を演奏。第20回アフィニス夏の音楽祭に参加。東京メトロポリタン・ウィンド・クインテットのメンバーとしても活躍している。これまでに岡崎耕治、ゲオルグ・クリュッチュ、ウーレ・クリスチャン・T・ダールの各氏に師事。



メーニッヒ アドラー


メーニッヒとアドラーはともに伝統あるドイツの老舗木管工房です。両社は2000年の合併を機に目ざましい技術革新を遂げるとともに、著名なプレイヤーとの研究開発にも積極的に取り組みはじめ、以来たくさんの画期的な優れた新製品を発表しています。現在、メーニッヒはダーグ・イェンセンやセルジオ・アッツォリーニなど世界のトッププレイヤーも使用するプロフェショナルモデルを中心に、またアドラーはそのノウハウを生かしたコストパフォーマンスの高いスチューデントモデルを製造しており、プロからアマチュアまで幅広い層のファゴット奏者に愛用されています。

≪メーニッヒファゴット使用プレイヤー≫
メーニッヒ アドラー
向後氏 Dag Jensen
ダーグ・イェンセン
ミュンヘン音楽大学教授
向後氏 Sergio Azzolini
セルジオ・アッツォリーニ
バーゼル音楽院教授
向後氏 Frank Forst
フランク・フォルスト
ワイマールフランツリスト
音楽大学教授
◆メーニッヒ ファゴット

・214TOPAS

・214D(イェンセン氏 使用モデル)

◆アドラー ファゴット

・1357

・1361



【メーニッヒ&アドラー専用サイト】

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