JAZZ MOUTHPIECES BY NONAKA BOEKI

マウスピースの基礎知識

マウスピースの名称

●材質

ハードラバー(エボナイト)、メタル(ブラス・ステンレス・ブロンズ)、合成樹脂(プラスティック)、クリスタルなどがあり、この材質の違いがサウンド全体に影響します。
一般的に、ハードラバーは温かく太い響きで、メタルは明るく輪郭がはっきりとした音質という傾向があります。表面仕上げのメッキによっても音の艶などに違いがでます。

●ティップオープニング

リードとマウスピースの先端の開きを指し、息の量や音量に影響します。
開きが広いものは豊かでパワフルなサウンドを作り、息の量を必要とします。狭いものは明るい響きで、少ない息で効率よく鳴らすことができます。

●フェイシング

マウスピースの先端からリードが接するところまでの長さを指します。リードが振幅する部分で吹奏感や音の反応に影響します。
種類は大きく分けて、ショート・ミディアム・ロングがあります。短いものは明るくクリアで、長くなるに連れダークで柔らかいサウンドが得られます。この長さに加え、カーブの角度や形状によっても変わります。

●ティップレール

マウスピース先端のカーブを指し、音のニュアンスやコントロール(安定性)に影響します。
レールの幅が狭いと、音の立ち上がりが速くニュアンスを付けやすいがコントロールレンジが広くなり、幅が広いと、ニュアンスや音量が安定し、コントロールしやすく(リードミスしにくく)なります。

●ウォール(インサイド)

マウスピース内部の両側面(壁)を指します。
真直ぐ平らに削ったものや、適度に掘りこんでくぼみを作ったものなどがあり、息の流れや抵抗感を作ります。

●ウィンドウ

リードとマウスピースが接していない部分(窓)を指します。大きいと息の抜けがよくなり、小さいと音質がまとまりやすくなります。

●バッフル

ティップオープニングからチェンバーまでの面を指します。
「ハイバッフル(息が通る空間の容積が狭い)」は、力強く明るいエッジの効いた音が得られ、「ローバッフル(息が通る空間の容積が広い)」は、柔らかく温かみのある音が得られます。また、形状は大きく分けて4種類です。先端からスロートに向かって、直線の傾斜を持つ「ストレート型」、緩やかな放物線を描く「ロールオーバー型」、段差をつけた「ステップ型」「バレット型」があります。

●チェンバー

バッフル部分から奥にあたる、最初に音が共鳴するマウスピース内部の空洞部分を指します。
サイズは大きく分けて、スモール・ミディアム・ラージの3種類です。容積が狭いと華やかで輝かしく、広いと音の太さが増しダークでしっとりした音が得られます。
また、形状は大きく分けて、「ラウンド型」「スクエア型」「ホースシュー型(馬蹄型)」「フラット・サイドウォール型」があり、このほかに「混合型」やメーカー独自の形状もあります。

バッフルとチェンバーの組み合わせとバランスは、音色の個性が出る重要な部分です。
「ハイバッフル/スモール・チェンバー」「ローバッフル/ラージ・チェンバー」の組み合わせが一般的で、これらのバランスによって、様々なメーカーのキャラクターの違いを楽しめます。

リードの選び方について

ティップオープニングが広い ・・・軟らかめのリード
ティップオープニングが狭い ・・・硬めのリード

リードの選択は、使用するマウスピースの構造や形状の相互関係によって変わってきます。
ご使用のマウスピースや自分の好み、サウンドの方向性によってお選びください。

マウスピースのオープニングとフェイシング