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イベントレポート

開催期間:2015/09/27〜2015/09/27

2015.10.07
マーティン・ヤコブセン Jazz マスタークラス
イベントレポート

開催場所:東京都 渋谷アクタス ノナカ・アンナホール

木管アクセサリーのトップブランド『バンドーレン』は、クラシックだけでなくジャズ奏者の活動も支援しており、“VANDOJAM”と称するジャズ・ライブやクリニックを世界各地で展開している。

そして今回、渋谷・アクタスで開催されたテナー・サクソフォン奏者マーティン・ヤコブセン氏によるマスタークラスもその一環だ。

ヤコブセン氏はデンマークのコペンハーゲン生まれ。マイルス・ディヴィス・グループ等の演奏に触れてジャズに魅了され、テナー・サックスを手にしたのは19歳のとき。

以後、何度か個人レッスンを受けたほかは、ほぼ独学でサックスを習得。1993年には自らのカルテットを結成するなど、90年代、若手演奏家のひとりとしてコペンハーゲンのジャズ・シーンで活躍していた。

1995年、サックス奏者のボブ・リックウェルから「君はニューヨークかパリに行って演奏活動をしたほうがいいよ」とアドバイスされ、パリで活動することを選択。

現在にいたるまでずっとパリを拠点に、フランス国内に留まらず、ヨーロッパ全土、北米、そして、韓国やインドネシア、ベトナムなどのアジアまで、世界中で精力的な演奏活動をつづけている。

パリ移住後、1999年から4年間活動していた彼自身のカルテットは、演奏する会場すべてを超満員にし「ヨーロッパ大陸の輝かしいグループのひとつ」と評された。

こうしたリーダーとしての活躍の一方、デヴィッド・サンボーン等トップアーティストのサイドマンとしても活動。

現在、ヨーロピアン・サクソフォン界で最も著名なプレイヤーとして確固たるポジションを確立している。

さて、今回のマスタークラス受講生は、昭和音楽大学でポピュラーを勉強している笹本真由さんと社会人アマチュアの須永雅彦氏、寺田寛典氏の3人。

それぞれ30分から40分、望む課題を中心に指導を受けた。

愛用のマウスピースはメタルのV16、リードはZZの3から31/2。バンドーレンとは新製品の開発でも協力している

レッスンでは、普段の練習法を分かりやすく解説

「ジャズの場合は、楽譜どおりに吹くことが求められるクラシックと違って、書かれてないアーティキュレーションを自分で考えてつけることが大切」

「実際に聴衆の耳に聞こえているはずの音は、自分の耳で直接聞くことはできない。

だから、壁に向かって吹き、返ってくるサウンドを聞きながら練習し、客観的に自分の音や演奏を分析するといい」

「マウスピースの正しい角度をキープし、息をきちんと入れるためにも、姿勢はなるべくくずさないこと。前かがみにならず、頭が天井からつるされているようなイメージでまっすぐに立って」

「メロディをアレンジしたければ、コード記号を見た瞬間、スケールとアルペジオを想像できるようにしておくこと。また、ふだんアーティキュレーションを意識したスケール練習を欠かさないように。

知識を身に付けたうえでレッスンを重ねていれば、必ず新しいアイディアが浮かんでくる」

「自分の練習を録音しておいて分析するといい。

同じフレーズを1ヵ月ごとに聞き比べると、自分の実力を実感できる」

その他数々のアドバイスがあったが、いずれの場合も、非常に論理的でわかりやすく、かつ実践的。

独学だった自身の経験が活きているのだろう。

多くの場合、根本的に問題を解決するためのふだんの練習方法まで助言する、ていねいなものだった。

演奏のみならず、マスタークラスも好評だというヤコブセン氏。

たしかに聴講している人もすべて満足できるマスタークラスだった。またの来日が楽しみだ。

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